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第4回
親殺し、子殺しをなくす近道」

 山田 修 (フリージャーナリスト) 


 最近、不可解な殺人事件が多くなってきた。むしゃくしゃしていたから理由もなく人を殺す、親がうるさいから殺す、

子供が泣きやまないから殺してしまった。大きな憎しみ、恨みを抱いて殺人を犯すならともかく、恨みのない人や親

や子を殺すとなると、私たちには理解できない。

 犯人や容疑者についての報道を見ると、たいていは彼らの家庭環境や性格の異常性などが原因かのようにされ

て、月日が過ぎると忘れさられる。そして次の事件に人々の目がいく。その繰り返しだ。犯罪から身を守る対策とし

て保護者のパトロールや警報器の所持などが講じられるが、根本的な犯罪防止にはなっていない。

 不可解な殺人事件は個別に対策をしても無駄である。理解できない行動をとるものはどの時代にもおり、犯罪の

原因を彼らの異常性や特異性のみにしてはいけない。また、彼らの親の教育がなっていなかったからだといわれ

る場合も多いが、それだけで片付けてしまってしまい、根本的な対策がいつになっても講じられないまま、時が過ぎ

ている。

 私は無責任な社会が異常犯罪の彼らを生んでいると思う。金儲け至上主義がはびこり、利益、儲けが優先してい

る。耐震偽装の問題や最近のエレベーター事故の問題をはじめ、社会紙面をにぎわす事件は欲や金が優先し、安

全性や社会性、公共性がないがしろにされている。

 耐震偽装は利益を優先し、居住者の安全性を忘れた結果である。エレベーター事故もそうである。安さに目がい

き、安全に目がいかなかった。客や利用者のことが忘れ去られていたのである。無責任である。現代の日本はこ

の無責任がはびこっている。社会保険庁の国民年金不正免除問題は虚構の数字をあげるのにまい進し、犯しては

ならない法律を公務員が踏み外した。なんら、国民年金の改善には役に立っていない。本来彼らがすべきことをせ

ず、姑息なノルマ達成の虚業の仕事をしているのである。これも無責任である。

 自殺者が3万人以上になり、増加しているのに反比例するかのように貸金業が反映している。高額納税者も貸金

業者の進出が目立っている。低金利時代が続いているにもかかわらず、高金利で金を貸して、家庭を破綻に追い

込み、借金苦の自殺者を増やしている。

 「借金は返すものだ、返さないものが悪い。私たちは法律を守っている」と一見正論めいた言い訳で自分たちの行

動を正当化している。しかし、駅前を席巻する貸金業者の看板やタウンページの職業別をみれば、恐ろしいほど貸

金業者の広告が載っている現状はまさに異常である。自己破産や借金苦の自殺が増えていることを考えれば、こ

のようなことにはならないはずである。自分の利益のみ考え、相手の立場を考えない、無責任がはびこった結果で

ある。

 この現状を変革する対策を社会が立てるときに来ている。政府、官庁、財界、法曹界、それぞれの業界、マスコミ

が真剣に考える時期に来ているが、おざなりの対策しか考えていない。

 私はこの無責任な考えをなくす対策を実行するのが、異常犯罪を減少する近道のような気がする。



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