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インサイド
「需要の拡大策 Vol.2

 需要拡大策の2つ目のポイントである夜間終電後の需要拡大について考えてみよう。東京の場合、多くの

サラリーマンが東京のベットタウン神奈川、千葉、埼玉、茨城方面から通勤している。終電後の個人利用こ

そ拡大の余地がある。1万円超のタクシー利用客は大勢いるが、タクシー運賃が高額であるためお客さんが

利用を控えているのが実態である。では、どうすれば取り込めるのだろうか。答えは、簡単だ。運賃が安くな

れば利用する。単に値下げをしようというのではない。現状のタクシー営業形態や運賃体系を考えるならば

相乗りタクシーしかないであろう。


「失敗した東京の相乗りタクシー」

 この相乗りタクシー、地方では盛んに有効利用されていてお客さんの利便を図っている。

 東京でも新宿駅〜都内各所、都内〜成田空港間等でジャンボ・タクシー(10人乗り以下)を使用した相乗り

タクシーが運行されていた経緯がある。しかし、採算が取れず相次いで廃止された。利用客が見込まれる東

京で失敗する原因は、多くの場合事業者側の運行能力の低さとこの業界が不得意とする営業力不足による

ものだ。また、事業者・協会がせっかく始めた新たなサービス・メニューが頓挫するというのは、東京の事業

者が流し営業に依存しているため危機感が無いからである。新たなサービス・メニューを立ち上げる意欲が

無いとも言えるだろう。

 「はい、出来ました」「どうぞご利用ください」ここまでは良いが、暫らくすると「お客がさっぱり来ない― 」

営業努力もせず結果的に採算が取れないから廃止。こんな悠長な商売はないであろう。商売は簡単なもの

ではない。良いアイディアも簡単には、日の目を見るものではない。粘り強い営業活動が必要である。そして、

「やり方」が問題であろう。 この「やり方」とは、広報面(利用者へのPR、認知してもらう営業活動)、そして

運行方法(運行体制の確立)である。

 新たなサービス・メニューも事業者、協会団体が一丸となり不断の努力をしなければ何をやっても成功はし

ないであろう。


深夜のタクシー需要拡大策の公開

 筆者が考えたアイディアを紹介しよう。一般乗用タクシー5人乗り(乗客は4人)を主とした相乗りタクシーの運

行で、東京近県の鉄道沿線主要駅までを目的地とした運行である。運行の出発地は、主要繁華街又は、

主要繁華街の隣接する鉄道駅に設ける。



*ITを屈指した携帯電話のみによる完全予約システム

 この相乗りタクシーの目玉は、携帯電話時代にふさわしいもので、ユーザーが携帯電話を使用して配車の申

し込み予約を行うというものだ。このシステムは、全てユーザーの乗車数時間前から時間予約受付と配車をコ

ンピューターが行い、現場の配車係りに伝達されスムーズな運行を目指すというものだ。  

 ユーザーには、携帯電話での申し込み時点で、予約状況の確認、予約の決定が出来るようにする。また、

申し込み時点で定員に満たない場合は、予約決定後に決定の通知メールを送信できるようにする。ユーザー

は希望する時間のタクシーに乗りたい場合、定員に達するまで待つ場合がある。

携帯電話での配車予約システムの構築と、現場での配車体制の確立が成功の鍵となるであろう。


*現場での乗車申し込みは、受け付けない

 現場での乗車申し込みは、煩雑な配車がお客様に対して迷惑を掛ける恐れがあるため行わない。お客様を

待たせないために事前予約制で、全てコンピューターによる配車システムが行う。

 ユーザーが携帯電話での申し込みの時点で配車が決まらない場合は、予約が決定するまで待たせる場合が

ある。


*お客さんの立場を考えてみよう

 利用するお客さんの立場にたって考えた場合、常に目的地までの運賃が1/4(定員4名時)、定員に達しな

い場合は1/3、1/2という運賃は魅力であり需要の拡大が見込まれるであろう。自宅の最寄りである主要駅に

到着したお客さんは、自宅まで少し遠い場合は、地元のタクシーに乗車する。基本料金+αで済む。

乗り換えの手間はあるものの、トータルでの安さにはかえられないであろう。


*お客様の声は

★「終電を気にしながら仲間と飲んでいたが、面倒だから相乗りタクシーで帰る」

★「終電までに残業を終わらせて帰ろうと思ったが、時間を気にしないで済むし、疲れたので相乗りタクシーで帰ろう」

★「カプセルホテルに泊まろうと思ったが、疲れるし着替えも無いから相乗りタクシーで帰ることにした」

★「この値段なら、タクシーで帰る回数が増えそう」


と、なるのである。


具体的な概要と問題点などを記してみた。

概要


一般乗用タクシーによる相乗りタクシーの運行。神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県の主要都市の鉄道

駅までを目的地とした運行。出発地を主要繁華街に隣接するJR駅等に設ける。(終電後の利用)

※ 運用案の例として銀座・新橋地区では、JR新橋駅など。

運行案


目的地は、基本的に運賃が1万円超の距離にある鉄道駅を設定する。


神奈川県 東海道線ルート:新橋駅から、横浜駅、戸塚駅、大船駅、藤沢駅、・・・

千葉県  総武線ルート:新橋駅から幕張駅、千葉駅・・・

各県鉄道ルートで主要駅まで設定する。

運賃例 高速料金を加味した適正料金を定額として設定する。

例:新橋〜戸塚駅 高速代金込みで15,000円の定額 

 1人あたりの運賃例 

 15,000円÷4人=3,750円(1人)
 

 15,000円÷3人=5,000円(1人)
 

 15,000円÷2人=7,500円(1人)


事業者及び運行サイド

1. 入構制限、登録車制にする。

2. 公正な配車規約の確立

3. 全車禁煙車での運行

4. 女性客専用車を設ける。(女性運転手を優先させる)

5. 現場のオペレーター及び配車係員に権限を持たせる。

6. 支払いについては、現金及びクーポン、福祉券、デビット・クレジットカードのみの収受で会社契約のチケッ

  トは使用できないものとする。

7.その他一般旅客自動車運送事業標準運送約款に定める運送

乗車制限

1.全車禁煙

2.体調不良(嘔吐の恐れがある方)及び泥酔者の乗車禁止他

3.目的地変更の禁止



運行の問題点

1. 配車受付システムの構築

2. 運行場所の確保(JR駅のバスターミナル利用など)

3. 現場での配車係り及び車両整理係員の人員配置。

4. 営業活動PR

5. その他


 

この「深夜のタクシー需要拡大策」を読まれた、事業者及び関連団体・協会の方が、東京のタクシーの新た

なサービス・メニュー案として取り込んでいただければ幸いである。

2007年7月16日

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