THE INSIDE
インサイド
「四社ブランドと玉石混淆の個人タクシー」

 タクシー会社の格差

 格差社会といわれる昨今、需要の低迷が顕著なタクシー業界にも格差は存在する。全国を見渡して

も地方都市の需要低迷に対し、首都東京だけが突出して需要が高いと言えるのではないであろうか。

これは、国の機関が一極集中し、企業の本社が集中しているので、地方に比べハイ・タクの需要が格

段に多いといえる。

 東京と言っても広い。ここでいう東京とは、都内23区、武蔵野市、三鷹市のタクシー事業区域を指

し、行政では東京特別区と称している。また、地理的にも関東平野は広大であり、東京都を中心に取

り囲むようにして隣接する多くの都市が点在し人口が著しく集中している。いわゆる一都七県が、首

都圏といわれる。都内への通勤圏は神奈川、埼玉、千葉、茨城の4県であろう。東京のベットタウン

して多くのサラリーマンが都心に通勤している。我々タクシーのターゲットとなるお客様だ。

 地方都市や首都圏の都市でタクシー経験のある筆者の口癖は、「この商売東京でやらなければ話に

ならない」と言い続けてきた。地域格差はイコール、所得格差である。

 東京都内のタクシー会社であればどこの会社でもよいなんてことはない。都内のタクシー会社にも

差がある。会社が多くの顧客に恵まれているかどうかである。すなわち会社の営業戦略として、優

良企業とのタクシー乗車チケットの発行・契約数が多い事、一般タクシー利用客に支持されているか

どうかである。営業力の無い小さなタクシー会社などは、無線営業も無しで、流し営業だけに依存し

ている会社もあるのだ。例えば、同じ能力の運転手がいたとした場合、会社により運転手の所得格差

が生じるといってもよい。稼げる会社と稼げない会社が混在している。


四社タクシー

 東京でタクシーやるなら「四社でやらなければ話にならない」、「四社の中でも、二社でやらなけ

れば話にならない」これも筆者の持論である。同じ労働力を使うのであれば、稼げる有利な会社に就

業するべきだ。「東京四社」タクシーは、業界をリードする老舗大手四社タクシー会社。別の俗称で

社名の頭をとって大日本帝国とも称する。大和自動車・日本交通・帝都自動車・国際自動車がそう

ある。

 別にひいきをして四社を宣伝しているわけではない。数多くあるタクシー会社の中でも会社の規模、

営業力、社員教育、乗務員の質が良いからである。つまり、まともな会社であるということだ。事業

者・会社の営業姿勢は、乗務員の質に直結している。大手企業との契約数も群を抜いている。また、

一般利用客にも優良タクシー会社としての知名度、支持が高い。

 四社のタクシーに乗って不快な思いをしたお客さんは、会社に苦情を入れる場合がある。「四社な

になぜ?」他の中小タクシー会社では、不快な思いをしても「言ってもしかたがない」と諦めて苦

情を入れない場合がある。お客さんの四社に対するお叱りは、期待度が高い現れである。不適格な運

転手、ついていけない運転手は、辞めていく。

 以前、中小タクシー会社の運転手に尋ねたことがある。「なぜ、四社でやらないのか?」「稼ぎた

ないのか?」と。四社は、「会社がうるさいから、ノルマがきついから」と言う。四社が標準的で

まともな会社であると認識している私は、この連中は仕事に対するプライドも働く意欲も無いことが

よく分かった。勿論全てがこうだということではない。四社にも不適格者はいるし、中小のタクシー

会社にも優秀な運転手がいる。しかし、雇用している事業者・会社の姿勢は、運転手に現れている

いえるだろう。


個人タクシー

 個人タクシー制度は、法人タクシー運転者に夢と希望を与える趣旨で発足された。法人タクシー、

ハイヤーで10年の実務経験と、一定の受験資格を満たして試験に合格すると晴れて個人タクシー事

者になれる。法人タクシー運転者の模範とならなければならない存在であるが、一部の事業者による

違法行為や接客態度不良で信用を落としている現状もあり、組合や協会でも頭を痛めている。

 個人タクシーになり「社長」と言われ有頂天になり、開放感からか違法行為を行なう者、横柄な

葉使いで接客する者。東京都個人タクシー協会に寄せられた苦情の集計によると平成17年度の個人タ

クシー事業者への苦情のナンバー1は、「言葉使い」であった。事業者の質が問われている。

今一度、原点に戻り誰のおかげで我々が生活していけるのかを考えなくてはならない。

 良い事業者もいれば悪い事業者もいる個人タクシー。玉石混淆といわれる。それはなぜなのか?

これが全てという事ではないが、事業者の出身タクシー会社で質にも随分違いがある。先程も述べ

が、会社と同じように良い事業者の下には、質の良い乗務員が集まる。個人タクシー事業者は、様々

なタクシー会社出身から構成されているので、玉石混淆もやむを得ないといえる。

 規制緩和で市場競争原理が事業者の意識改革を生み、業界全体が質をレベルアップしていけば、質

の良い個人タクシー事業者の輩出に繋がり、こういった問題も解決されていくであろう。




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