| 第15話 | |||||||||||||||
| 「個人タクシー、回送表示で客選び。その違法行為の実態は」 | |||||||||||||||
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深夜の1時過ぎ、私はお客さんに呼ばれ、銀座のはずれにある帝国ホテルと宝塚劇場の間のみゆき通りで待 機していた。空車のタクシーがほとんどいない状態だ。タクシーを拾うためお客さんが銀座方面からどんどん 歩いてくる。そこに一仕事を終え、銀座に戻ってきた空車のタクシーがまばらに入ってくる。タクシーは、直 ぐにお客さんに捕まり実車になる。そんな中、個人タクシーも入ってくるのだが、行灯(あんどん)が消えて いる車が数台ある。表示装置をよく見てみると、回送表示になっている。これを違法行為と言わず何と言うの だろうか。「空車」、「迎車」、「予約車」、その他、または、実車表示の状態でなければならない。違法行 為をしているのは全て個人タクシーである。呆れてしまった。真面目に乗せているのは、法人タクシーと一部 の個人タクシーだけだ。 都市により違うが、東京地区のタクシーの場合、お客さんに空車、実車の見分けが つくように、実車時に行灯が消灯するように決められている。これは、お客さんにも周知されている事なので、 正にお客さんの目をごまかした違法行為と言えよう。
るのか?ただ単に、お客さんの身なりだけで判断しているのである。何と愚かな連中であろうか。見ていると 笑ってしまった。ある個人タクシーは、日比谷通りからみゆき通りに入り、ガード手前で転回して行ったり来 たりしてお客さんを物色している。遠くに行きそうなお客さんを探しているのだ。しかし、お客さんに聞かな い限り、行先など分かるわけがない。客選びなどしていると、自分の思い通りにならないのが落ちであろう。 結局その個人タクシーは、別の個人タクシーがお客さんを拾っている後ろに付けていた。数人のサラリーマ ンがいる。急に行灯に明かりが灯った。空車表示に切り替えた瞬間だ。笑わずにはいられない行動である。
た。突然止まると、何やら2台前方の法人タクシーがお客さんを拾っている。数名のお客さんは乗車した人を 見送っている。すると、前の個人タクシーの行灯が突然消えた。回送表示である。見送りしていたお客さんも タクシーに乗る可能性がある。そのお客さんを乗せたくないがために、回送表示に切り替えたのだ。そうなる と、私のタクシーに乗ってくるであろう。しかし、乗車の申し込みは無かった。前方にいた個人タクシーは、 先の交差点で付け待ちをするために停車した。そして、行灯は再び灯った。空車表示に切り替えたようだ。私 は、すぐさま車を相手の車の真横に付け、窓を開けて怒鳴ってやった。 「てめぇー、この野郎!回送にするなよ!真面目にやれ―」 その個人タクシー事業者は、私に言われるがままに唖然とした表情でこちらを見ていた。悪い事をしている ので何も反論は出来ないであろう。この出来事は、しっかり彼の胸に刻まれた事であろう。回送表示に切り替 える度に思い出して欲しい。 以上が、銀座周辺で繰り返される回送表示を利用した違法行為の実態である。違法行為のほとんどが個人タ クシーである。これが模範となる個人タクシーであろうか。会社勤めのタクシー運転手は、その個人タクシー の違法行為を全て見ているのである。中には、自分も個人タクシーになったら、あのようにやればよいと勘違 いする者もいるのではないだろうか。
さんを迎えるふりをして、車から降りてタクシーに乗りそうな人、あるいは乗れるか尋ねてくるお客さんに対 して、行先を聞いて遠い場合に乗せる違法行為である。銀座周辺では個人タクシーから降りて、客を物色して いるいかにも人相の悪い年配の事業者たちをよく目にする。
東京都内に配置するハイヤー・タクシー車両の表示等に関する取扱についてハイヤー・タクシー 車両の表示事項及び表示方法等に関しては、道路運送法、タクシー業務適正化特別措置 法等関係法令及び運賃実施通達の規定によるほか、次に定めるところによる。 J 一般準則 1.一般乗用旅客自動車運送事業者は、これに定めた車両の表示等を遵守し、事業の適 正な運営と旅客の利便確保に努めなければならない。 2.表示する文字等の塗色は、容易に識別できる色を用い、それぞれの表示事項の目的 に添って、明瞭的確、かつ、旅客に見やすいように表示しなければならない。 3.表示事項について、定期的に点検補修を行い、常に明瞭な表示が保たれるように努 めなければならない。 4.表示装置、表示板の取扱いは適切に行い、いやしくもこれらを使用して、違法な営 業行為を行ってはならない。 5.法令又は本取扱いに定める場合のほか、車両の内外又は窓ガラスに表示物を表示し 又は貼付する時は、公衆の利便に資する必要最小限度の物であって、旅客の視野又は 法令若しくは本取扱いに定める表示の効果を損なわないものでなければならない。 G『回送』 運転者が食事、休憩若しくはトイレのため、運送の引受けをすることができない 場合又は乗務の終了、車両の故障、運賃メーター器及び外付け運賃・料金ユニット 又は表示装置の故障等のため、車庫若しくは営業所等に回送しようとする場合に 車外に向けて表示する。 『回送』は、前記の場合以外表示してはならない。 『回送』を表示したときは表示した時刻を、回送後は回送区間を、それぞれ「運 転日報」の備考欄に記入しなければならない。
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