第7話


「行方不明の個人タクシー!?」


 

 よく聞く不可解な出来事がある。

 お客さんからの問い合わせで相次いで発覚している。お客さんがタクシーを拾い目的地に向かう途中

で、買い物等の所用でタクシーを待たせていたところ、戻ってみると待たせていたタクシーがいなくなって

いるというものだ。お客さんは、お金を払っていないので困惑しているという。中には、お客さんが車内に

置いていた荷物ごと行方不明になるタクシーもいることが判明している。

 どうやら、運送を放棄して逃げて行ったという事であろう。不可解でもなんでもない。単なる運転手の身

勝手な違法行為である。お客さんの荷物ごと逃げたという事になると、窃盗の犯罪行為である。悪質極ま

りない個人タクシーだ。

 これは、お客さんの側からみると理解しがたい行動であるかもしれない。一旦乗車を引き受けたタクシー

である。途中まで走っているのでメーター料金も上がっている。タクシー料金を放棄したその行動がお客

さんには理解できないであろう。しかし、我々運転手の側からみると営業事情から直ぐに察しが付く。まず

以下の点が考えられる。

 運送を放棄する考えられる理由として。

1.お客さんに言われた目的地に行きたくなかったというのが一番の理由であろう。

2.自分の上客であるお客さんから電話が入った等、何らかの理由。

3.走ってまもなくのお客さんの買い物等の立ち寄りなので、上記の理由等で運送を放棄した。

 恐らくタクシーメーターは、少額であろう。数千円にもなると損をしてしまうからだ。

 筆者も以前、お客さんから聞いたことがある。ある雨の日の事だが、個人タクシーを恵比寿駅前で拾い

赤坂迄行くからと伝えた。そして「人を呼んでくるのでメーターを入れてここで少し待って欲しい」旨運転手

に話し、人を連れて戻ったところタクシーはいなくなっていたというものだ。

 平気で運送を放棄するその行為は、一方的な途中下車強要であり乗車拒否ともとれる悪質極まりない行

動である。この違法行為を聞いたときは、新手の違法行為かと筆者も呆れてしまった。一旦引き受けた乗

車申し込みを一方的に放棄して逃げる。とても普通の神経の持ち主ではない。タクシーに対する不信感を

生み、社会的信用を失墜させるその行為は許せるものではない。

 目的地に向かう途中の立ち寄りで待たせた場合、タクシーは領収書の発行をしていないため、お客さん

が憶えていない限りタクシーを特定することができない。車番や事業者名まで憶えていないのがお客さん

の実情である。乗車したお客さんの信頼を裏切る違法行為といえよう。万一、タクシーを待たせる場合は

ご注意していただきたい。


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