第8話


「契約解除」


 

 先日、組合本部の営業部より各支部の組合員に書面にて連絡があった。

大口の優良企業より契約解除の通告を受けたというものだ。契約解除の理由は、「安全運転の意識を

欠いた運行にあり、法定速度をはるかに上回るスピードで走行し、社員を危険にさらすタクシー団体と

は契約を維持することは出来ない」とする内容である。


 懸念していた事態が発生した。同業のドライバーであればよく目にする光景であろう。高速道路にお

ける個人タクシー車両の目に余るスピードの速さに。ガソリン車両の高出力パワーにものをいわせ、

お客さんを乗せてスピードを出している高齢者を含む一部の個人タクシー事業者達だ。


 お客さんを乗せて危険行為を行えば、どういうことになるか分からないのであろうか。お客さんを荷

物とでも思っているのであろうか。緑ナンバーは営業車両、即ちプロである。輸送の安全確保が出来

ないのであればプロではない。


 一部の事業者によるモラル低下が適正営業をしている事業者達の足を引っ張っている。自分たち

で自分の首を絞めてどうするというのだ。たった一人の危険行為により数百万円から数千万円の売り

上げが減るのである。こうれはもう、組合としても除名も含めた厳しい罰則を科するなどしなければ組

合員も納得がいかないであろう。流していて個人タクシーを待っているお客さんがいなくなるということ

を肝に銘じなければならない。

 それにしても怒り心頭である。

 

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