第4話

「健康管理を促進しよう」



人出が予想される連休前の金曜日深夜―

お陰さまで、普段の深夜のようにお客様を探すことなく、歓楽街に入ると直ぐにお客様を拾える

というのは大変ありがたい事である。

銀座から乗せた30代くらいのアベックのお客様。首都高で世田谷に向かった。

首都高に乗って直ぐに女性のお客様が聞き捨てならない話を男性と始めた。

何でも以前乗ったタクシーなのだが、走行中に運転手が具合が悪いと言い始めて・・・

「運転手さん、大丈夫ですか?それでは止まってください!」と声を掛けたところ、運転手はタ

クシーを止めず、既に意識が無かったというものなのだ。電柱などにぶつかり止まったらしい。

(おいおい、ほんとかよ!)

「あの時、高速道路を走っていたら、大変な目に遭っていたかも知れないわ―」

それ以上の詳細な話はなかったが、怪我をしたとかおっしゃっていなかったので幸いにもスピー

ドが出ておらず大事には至らなかったのだろうと私は推測した。

「だからタクシーに乗る時は歳を取った運転手には乗らないようにしている―」

私は口をはさまなかったが驚いたのは言うまでもない。さぞかし怖い思いをされたことであろ

う。あってはならない事態である。昨今問題になっているバス運転手の健康起因による重大事故

が記憶にも新しい。

高齢化しているタクシー業界でも健康起因による事故は現実に起きている。全体の事故件数から

見れば極わずかであろうが過去にも健康起因による事故は見聞きしている。

他人ごとではない―、私も歳を取るし・・・誰だって齢を重ねる。年配者だからといって敬遠さ

れてはかなわない。これだけは個人差があるので難しい問題であるが、やはりこういった事故は

減らすことができるであろう。予防の観点から、健康診断も大切であるが、何といっても我々運

転手は、積極的な日頃の健康管理が重要だと思う。運転手の仕事は長時間身体を動かさない。運

動不足になりがちである。普段からウォーキング等の運動が必要である。運動しないと血行が悪

くなり、病気発症へと至る。とはいっても仕事が忙しくなると、疲れ果てて中々出来ないのも現

実である。睡眠を取り起きたら30分でも1時間でも外を歩いてくる等の身体を動かす習慣を生

活のリズムに加えたい。


↑ Return to Top
↑Return to The Taxi-Column TOP INDEX HOME

CopyRight(C)2003-Future Club-Taxi Official