第19話 「タクシーにも衝突被害軽減ブレーキを搭載すべき」 先日、年明け早々にタクシーが、横断中の歩行者数人を撥ねるという重大死亡重傷事故が発生した。場所は渋谷区笹 塚の甲州街道。原因は、運転手の健康起因による事故であることが報道された。運転手は、何らかの健康起因(脳疾 患の疑い)で意識を失いタクシーは信号無視で横断中の歩行者の列に突っ込んだ模様である。痛ましい事故で同業とし ていたたまれない心境である。こういった健康起因による重大事故はタクシーに限らずバス、トラックでも度々起きて いる。尊い命を奪った惨状を目の当たりにして、タクシー車両にもいわゆる自動ブレーキといわれる衝突被害軽減ブ レーキが組み込まれた運転支援システムの搭載が必要であると思った。歩行者や障害物を検知して、運転者がブレーキ 操作を行わないと自動でブレーキを掛けて、衝突を回避するというシステムである。私のタクシー車両にも搭載されて いるが、一般車両の場合この運転支援システムが搭載されていると、事故率が極めて低いというデータから任意保険料 が割引になるという保険会社もあるくらいである。もう世の中には運転支援システム搭載車両が販売されているのであ る。公道で営業をしている事業用自動車の大きな課題は、今も昔も、一にも二にも無事故である。事故による多大な損 失を考えると、安全への設備投資は無駄ではない。事業者の安全に対する意識、姿勢、賢明な判断が社運をも左右する のではないだろうか。もし、あの重大事故を起こしたタクシーに運転支援システムが搭載されていたならば、横断歩道 手前で自動ブレーキ制御が働き、急停止して衝突を回避していただろう。お亡くなりになられた被害者の方は生存して いて、今頃「あの時、タクシーが急ブレーキで止まって危なかったわ―」だけで、何事も無かったように笑顔で過ごさ れていたかも知れないのだ。それを思うと誠に無念である。
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